人前で声が出なくなるのは、声のせい?
~緊張すると、なぜいつもの声が出なくなるのでしょうか?~

「普段は普通に話せるのに、人前に立つと声が小さくなる。」
「発表になると、声が震えてしまう。」
「歌うとき、緊張すると高い声が出なくなる。」
「家では歌えるのに、人前だとうまく歌えない。」
そんな経験はありませんか?
もしかすると、
「自分は声が弱いから......」
「発声ができていないから......」
と思っている方もいるかもしれません。
でも、実はそれだけが原因とは限りません。
緊張すると、身体そのものがいつもとは違う状態になる。
そのことが、声にも大きく影響しています。
緊張すると、声には何が起こるのでしょうか?
人前に立ったとき、
「失敗しないようにしよう」
「ちゃんと声を出さなきゃ」
「聞こえるように話さなきゃ」
と考えることがあります。
すると、知らないうちに身体に力が入ります。
肩が上がる。
首が固くなる。
呼吸が浅くなる。
そして、喉の周りにも余計な力が入りやすくなります。
声は、喉だけで作っているものではありません。
呼吸や身体全体の動きと関係しながら出ています。
そのため、身体が緊張して動きが小さくなると、
「いつもなら出る声が出ない」
「声が震える」
「声が細くなる」
といったことが起こる場合があります。
「もっと声を出そう」と頑張るほど、出しにくくなることも声が小さくなったとき、
「もっと大きな声を出さなきゃ!」
と思いますよね。
もちろん、声を相手に届けることは大切です。
でも、緊張して身体が固くなっている状態で、さらに力を入れて声を出そうとすると、かえって声が出しにくくなることがあります。
たとえば、
「大きな声を出そう」
↓
身体に力が入る
↓
呼吸がしにくくなる
↓
声を押し出そうとする
↓
さらに喉が固くなる
という状態です。
もちろん、すべての人に同じことが起こるわけではありません。
しかし、
「声が出ないから、もっと力を入れる」
という方法だけでは、うまくいかないことがあります。
緊張を「なくそう」としなくてもいい
では、どうすればいいのでしょうか?
ここで大切なのは、
「緊張しないようにする」ことを目標にしすぎないこと。
人前に立てば、誰でも多少は緊張します。
大切なのは、
「緊張してはいけない」
と考えることではなく、
緊張していても、自分の声を出せる状態をつくっていくこと。
です。
「緊張しているな」
「少し呼吸が浅くなっているな」
「肩に力が入っているな」
と、自分の身体の状態に気づく。
そして、少しずついつもの呼吸や身体の感覚に戻していく。
こうした経験を重ねることで、
「緊張しても大丈夫」
という感覚が少しずつ育っていきます。
「声に自信がある人」は、緊張しない人ではありません
声に自信がある人を見ると、
「この人は緊張しないんだろうな」
と思うかもしれません。
でも、そうとは限りません。
人前で歌うプロの歌手でも、ステージに立つときに緊張することはあります。
大切なのは、
緊張している=声が出なくなる
という状態から少しずつ離れていくことです。
「緊張しているけれど、呼吸できている。」
「緊張しているけれど、声が出ている。」
「少し声が震えても、そのまま歌える。」
そんな経験が積み重なると、
「緊張しても大丈夫」
という自分なりの感覚が生まれてきます。
それが、声への自信にもつながっていくのです。
「自信」は、最初から持つものではありません
「声に自信を持ちましょう」
と言われても、すぐに持てるものではありません。
むしろ、
「声を出してみたら、意外と大丈夫だった」
という小さな経験の積み重ねが、自信をつくっていきます。
最初は少し声が震えていてもいい。
思ったように歌えなくてもいい。
緊張していてもいい。
その中で、
「前より少し声が出た」
「今日は呼吸が落ち着いていた」
「最後まで歌えた」
という経験を重ねていく。
声のトレーニングは、単に声を大きくしたり、高い音を出せるようにしたりするだけではありません。
「自分の声を、自分で扱える」という感覚を育てること。
それも大切なボイストレーニングの一つだと、ONE VOICE では考えています。
ボイストレーニングというと、
「もっと大きな声を!」
「もっと響かせて!」
「もっと力強く!」
と頑張るイメージがあるかもしれません。
でも、声は力だけでコントロールするものではありません。
呼吸。
身体の状態。
声の響き。
喉の使い方。
そして、自分自身の声をどう感じているか。
さまざまな要素が関係しています。
だからこそ ONE VOICE では、一人ひとりの声の状態を見ながら、
無理なく、スムーズに声を使えることを大切にしています。
声を「つくる」のではなく、その人が本来持っている声を知り、育てていく。
それが ONE VOICE の考えるボイストレーニングです。
人前で声が出にくいあなたへ
もし、
「人前に立つと声が出なくなる」
「緊張すると声が震える」
「本番になると、いつもの声が出ない」
と悩んでいるなら、それを単純に「自分は声が弱いから」と決めつけなくても大丈夫です。
あなたの声そのものではなく、緊張したときの身体の使い方や、声との付き合い方を見直すことで、変化する可能性があります。
そして何より、
「緊張してはいけない」
「失敗してはいけない」
と自分に厳しくなりすぎないこと。
声は、無理に変えるものではありません。
自分の声を知り、身体の感覚を知り、少しずつ経験を重ねながら育てていくものです。
あなたの声にも、まだ知らない可能性があります。
ONE VOICE では、
「人前だと声が出にくい」
「緊張すると声が震える」
「歌うときに身体が固まってしまう」
「自分の声に自信がない」
といったお悩みも、一人ひとりの状態を確認しながらレッスンしています。
声に自信をつけるために、まず必要なのは、
「もっと頑張って声を出すこと」
ではないかもしれません。
まずは、ご自身の声と身体の状態を知るところから始めてみませんか?
声をつくるのではなく、声を育てる。
あなたらしい声を、一緒に見つけていきましょう。
【声に自信がない人へ】第 5 回
「通る声」と「大きな声」は何が違う?
~声を大きくしなくても、相手に届く声があります~
「声が小さい」と言われるから、とにかく大きな声を出す。
そんな方法を続けていませんか?
次回は、「声の大きさ」と「声の通りやすさ」は同じではないということについて、声
の響きや届け方にも触れながら考えていきます。
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