歌唱する際「音声運動ループ」と呼ばれる一連のプロセスがあります。
音を聞く
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脳で処理・記憶する
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声帯や口を動かす指令を出す
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実際に声に出す
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自分の声を聞く
↓
ズレを修正する
このうな流れを一瞬の感覚で体現しています。
このループのいずれかの段階で問題が生じると、ピッチのコントロールが難しくなります。
ピッチが崩れる原因とは?
1. 声帯筋の協調不全と中音域での不安定性
中高音域でのピッチコントロールが難しい理由として、「声帯筋の協調不全」が挙げられます。
声帯は、収縮する筋肉(声帯筋)と伸展させる筋肉(輪状甲状筋)が拮抗して働くことで音程を調整します。
しかし、中高音域ではこれらの筋肉の力が拮抗しやすく、声帯の振動が不安定になり、ピッチのコントロールが難しくなることがあります。
この現象は「ブリッジ(換声点、パッサージョ)」と呼ばれ、声がひっくり返る、上ずる、張り上げるなどの問題を引き起こす要因となります。
2. 神経筋制御と感覚フィードバックの問題
ピッチコントロールには、喉頭筋の神経筋制御と感覚フィードバックが重要です。
発声前の神経セットアップ、自己受容性感覚(プロプリオセプション)、聴覚的モニタリングの3つの神経制御システムが連携して、声帯の動きを調整します。これらのシステムのいずれかに問題が生じると、ピッチの安定した制御が難しくなります。
3. 発声時の筋肉の過剰な緊張と干渉
発声時に舌や顎などのスピーチ筋が過剰に緊張すると、声帯の自由な振動が妨げられ、ピッチの安定性が損なわれます。
これは、嚥下コーディネーションの抑制が困難であることや、スピーチ筋の干渉が原因とされています。
このような筋肉の干渉を改善するためには、正しい呼吸法や筋肉の緊張を緩和するエクササイズが有効です。
つまり、このような知識を体感とともにレッスンすることで、自分の歌に関しての声帯と精神の問題点に気づきやすくなります。
それにより、様々な原因で起こるピッチトラブルに対応できる「音感」を、手に入れるきっかけとなります。
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