人間の声は、コミュニケーションの手段として重要な役割を果たしているだけでなく、身体や精神の状態を反映する「バロメーター」としての役割も担っています。
近年、声の大きさや質に着目した医療研究が進み、声帯や呼吸器の健康状態だけでなく、「心理的ストレス」や「神経疾患の兆候」も声に現れることが明らかになってきました。
「声の大きさ」が健康状態を示す重要な指標であるという視点から、日常的な発声練習による声の観察の重要性を見ていきましょう。
1. 声の生理的メカニズムと健康との関連
声は、呼吸器、声帯、そして口腔・鼻腔といった複数の器官が協調して働くことで発せられます。
声の大きさは、肺活量、声帯の筋力、神経伝達の円滑さなどに左右されるため、これらの器官の不調があれば自然と声が小さくなったり、かすれたりします。
たとえば、加齢により声帯の筋肉が萎縮すると「老化声」になります。
また、パーキンソン病などの神経変性疾患では、特徴的に声が小さく単調になります。
そういった意味では、声の変化が早期診断の手がかりにもなり得るというわけです。
2. 精神的・心理的状態と声の大きさ
声は心理的な状態にも敏感に反応すします。
例えばうつ病や不安障害では、声が小さく、抑揚が乏しくなる傾向があります。
これは、脳内の神経伝達物質の変化が、発声に必要な筋肉の動きや呼吸リズムに影響を与えるためと考えられています。
一方、健康で活力のある人は、自然と明るく、よく通る声を発する傾向があります。
つまり、声の大きさとエネルギーレベルは相関関係にあるとも言えるでしょう。
3. 発声練習は筋肉と心を鍛える
声の大きさは単なるコミュニケーションの要素にとどまらず、身体的・精神的健康を映し出すバロメーターとして極めて重要な意味を持ちます。
発声練習により普段から大きな声を出し、発声に関する様々な器官に共鳴させる訓練を行う事で、自然と自信がつき日常生活に活力が産まれます。
また、普段の声がハッキリと大きく発声出来ていれば、自分では気づかないような不調を、人に気付いてもらえる可能性が増えます。
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