ONE VOICE ミュージックスクール|水道橋のボイストレーニングスクール

03-5357-1702
受付時間 10:00-21:00
ONE VOICE ミュージックスクール|水道橋のボイストレーニングスクール

花粉症が発声に及ぼす影響とその対策


 
 

1. はじめに

 
 
花粉症の主な症状として、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどが挙げられるが、発声にも大きな影響を与えることが知られている。
 
今回は、花粉症が発声に及ぼす影響のメカニズムを解説し、その対策について考察してみます。
 
 
 
 

2. 花粉症による発声への影響

 
 
2.1 鼻閉による共鳴の変化
 
花粉症の典型的な症状である鼻閉(鼻づまり)は、音声の共鳴に影響を及ぼします。
 
鼻腔は通常、声の響きを豊かにする『共鳴腔』の一部として機能するが、鼻閉が生じることで鼻腔共鳴が低下し、「鼻声(ハイポナザル)」と呼ばれるこもった声になります。
 
また、鼻音(m、n、ŋ)の発音が不明瞭になり、滑舌が悪くなりやすいです。
 
 
2.2 喉の炎症と声帯の影響
 
花粉症になるとアレルギー反応によって鼻や喉の粘膜が炎症を起こします。
これにより、喉の粘膜が腫れ、異物感や乾燥感を引き起こします。
特に、声帯が乾燥すると振動がスムーズに行われず、声がかすれる(嗄声)原因となります。
また、炎症による刺激で咳が増えると、声帯に負担がかかり、声の持続性が低下する事もあります。
 
 
2.3 口呼吸による影響
 
鼻閉が続くと、口呼吸が増えます。
口呼吸は、口腔内の乾燥を引き起こし、唾液の分泌が減少するため、舌や唇の動きが鈍くなり、発音が不明瞭になる事があります。
また、喉の乾燥は声帯の摩擦を増加させ、発声の負担を増やす事になるでしょう。
 
 
2.4 抗ヒスタミン薬の副作用
 
花粉症の治療に使用される『抗ヒスタミン薬』には、口や喉の乾燥を引き起こす副作用があります。
これにより、声の滑らかさが低下し、発声のコントロールが難しくなることがあります。
 
 
 

3. 花粉症による発声への影響を軽減する対策

 
 
3.1 鼻閉対策
 
• 点鼻薬の使用: 血管収縮剤を含む点鼻薬(例:ナファゾリン、オキシメタゾリン)を適切に使用し、鼻づまりの軽減を目指してみましょう。

• 鼻洗浄: 生理食塩水を用いた鼻うがいは、鼻腔の通りを改善し、発声時の共鳴を維持するのに有効です。ただし、人によっては慣れるまで時間がかかる事もあるので、慎重にトライしましょう。

• 加湿: 部屋の湿度を適切に保ち、粘膜の乾燥を防ぎましょう。
 
 
3.2 喉のケア
 
• 喉の乾燥を防ぐために、こまめに水を飲むようにしましょう。

• のど飴やスチーム吸入で蒸気を吸入することで、声帯の潤いを保ちましょう。

• 既に炎症があると感じる場合、無理な発声を避け、声帯を休めることを考えましょう。
 
 
3.3 口呼吸の改善
 
• 鼻づまりによる鼻閉が改善すれば、自然と口呼吸が減ります。

• 口が乾燥しないよう、こまめな水分補給を心がけてください。
 
 
3.4 薬の選択と調整
 
• 抗ヒスタミン薬の種類を見直す: 第2世代抗ヒスタミン薬(例:フェキソフェナジン、ロラタジン)は第1世代よりも副作用が少なく、発声への影響が軽減されます。

• 医師と相談の上で薬を調整: 副作用が強い場合は、点鼻薬や漢方薬(例:小青竜湯)など、異なる治療法を検討するのも良いかもしれません。
 
 
 

4. 結論

 
 
花粉症は、鼻閉や喉の炎症、口呼吸の増加、抗ヒスタミン薬の副作用などを通じて発声に多大な影響を及ぼします。
 
しかし、適切な対策を講じることで、これらの影響を最小限に抑えることが可能です。
 
特に、鼻閉の改善、喉のケア、口呼吸の防止、薬の適切な選択が重要となります。
 
 
調子が悪いと感じた時は、是非ワンボイスまでご相談ください!