発声練習で発話・嚥下・摂食能力が向上!?
脳性麻痺の人は、舌と唇の運動制御障害により、言語障害や嚥下障害を患うことが多くなっています。
デンマークの大学医療チームによる歌唱の効果を確認する研究調査で、プロの歌唱教師による1対1の歌唱レッスンを1時間(週2回/6か月)行いました。
その実験結果により6 か月の歌のレッスンにより、発話、嚥下、摂食能力の治療に非常に有望な効果があると認められました。
すべての参加者に効果が認められました
参加者は軽度から重度の認知障害・脳性まひの症状があり、自分の好みに基づいて自分で選んだ歌を練習しました。
レッスン後、認定作業療法士による採点を行いました。
また、同じ作業療法士が歌唱訓練介入前に3か月後、6か月後に全参加者の摂食能力を分析しています。
その結果6 か月後、すべての参加者の口腔運動スキルと摂食能力が改善したことがわかりました。
さらに、歌うことによるいくつかの良い効果が認められました。
これには、唇と舌のコントロールの向上、よだれの減少、姿勢の改善(歩行不能の参加者)、歌詞の暗記力の向上、自信の向上、咳や咳払いの能力の向上(歩行不能の参加者)、嚥下および摂食能力の向上、頬や舌を噛むことの減少、呼吸の改善と深呼吸、肺機能の向上などが含まれます。
主な調査結果
- プロの歌唱レッスンにより、発話能力と嚥下能力が向上します。
- 歌うことは、患者の言語障害や嚥下障害に対する非常に有望な方法です。
- プロの歌唱レッスンを受けると、ピークフロー測定値が向上します。
Singing Therapy Improving Peak Flow, Speech and Eating Abilities in Adults with Cerebral Palsy
論文:歌唱療法は脳性麻痺の成人のピークフロー、発話、摂食能力を改善する
ONE VOICE ミュージックスクールでは、医学的な知識も取り入れた健康と安全な発声指導を目指しています。